INTRODUCTION
イントロダクション
新進気鋭の大歳倫弘 (ヨーロッパ企画) ×
小沢道成と
豪華キャストによる新作、
新感覚ディープコメディを
新国立劇場 小劇場にて上演!
本作は、「卒業するタイミングは自由に自分で決めることができる」という世界を軸に、コミカルかつ挑戦的に描き出す意欲作。
3年で卒業せずに〈N学年〉に進級することを自ら選択する3人組の高校生役を、注目の若手実力派俳優=阿久津仁愛、押田 岳、坪倉康晴が演じます。そして進級したクラスで彼らを待ち受けるクラスメイトや教師には、小島梨里杏、富山えり子、中川晴樹、安西慎太郎、池津祥子、大鷹明良という、またとない豪華な顔合わせが実現しました。
脚本は、オリジナリティ溢れる発想・展開・台詞が魅力、ノンストップコメディの鬼才=大歳倫弘(ヨーロッパ企画)、演出・美術は、第31回読売演劇大賞3部門受賞、どのような空間でも想像を超えたアイデアで劇世界を創造していく新時代の総合芸術の旗手=小沢道成が手がけます。
次世代の演劇界を担う2人が初めてタッグを組み、この精鋭ぞろいのキャスト陣とともに、にぎやかで次々と様相を変えてゆく新感覚のディープコメディを新国立劇場 小劇場ならではの空間と演出でお届けいたします!是非ご期待ください!
STORY
ストーリー
いつの頃か、学校制度における〈卒業〉は自分自身決断する行事となっていて、高校の3年制はもはや標準的なガイドラインでしかない時代。
ダイチ・ミツル・タクロウの仲の良い3人組は、いよいよ3年生の終わりが近づいたある日、卒業のタイミングを自由に選べる〈N学年〉にそろって進級し、「もう少しだけ……」と、〈やり残したこと〉に一緒に挑戦してから卒業することを決意する。
……恐る恐る足を踏み入れた〈N学年〉の教室にいたのは、年齢不詳の生徒から30代、40代、50代……最年長は60代の生徒。そして、混沌とする教室で翻弄される若い担任教師。ダイチたち3人だけでやり遂げるはずだった大切な〈卒業イベント〉に、なぜか次々と介入してくるこのクセ強なクラスメイトたち。
彼らはなぜ卒業しないのか?そして、それぞれの「卒業」への思いと選択とは―?
「なんとなく学校のお話がいいと思うんです」。そう言いながら、演出の小沢さんが教室っぽいイラスト描きはじめたのを見て、あ、この人も「なんとなく」という感覚を大事にしている人だ、と嬉しくなったのを覚えています。
この時代、「なんとなく」という言葉に寄りかかってモノ作りができるのは、非常に稀なことで、そんな素敵な企画に携われた喜びを噛み締めつつ、いろいろと話し合いながら、このすこし不思議な学校のお話ができていきました。僕が小沢さんの描くイラストを見つめていたときの、喜びというか、ホッとしたような感覚が、たくさん詰まっていますので、ぜひ、みなさまにも味わっていただければと思います。
高校を卒業するタイミングは、自由に自分で決めることができる────
といった世界線のアイデアを大歳さんから聞いた時、僕の心が躍りました。
そこには様々な年齢の生徒達がいるということです。一体、何が起こるんでしょう。
上下関係はあるのか、どんな悩みを抱えた者がいるのか、なぜ卒業をせずにその場所にいるのか。あまりにも自由なその世界観に、僕の想像と遊び心は膨らむばかりです。
物語に合わせ、年齢も個性も豊かな大好きな俳優さん達に集まっていただけました。みなさん、物語の中では同級生。大人と呼ばれる人達が、子どものようにはしゃぎ回る、「ど」がつくほどの青春演劇も観てみたいなあ。そんな想像も膨らませながら、新国立劇場・小劇場の空間にどんな演劇が新たに生まれるのか楽しみに挑みたいと思います。